パワコン故障の対処法

太陽光発電の発電量がガクッと減ったとき、原因は 太陽光パネルではないかもしれません。

太陽光発電システムは、ソーラーパネルの他にも複数の機器を使います。なかでも発電に直接影響するのは、光から電気をつくるソーラーパネルと、その電気を家庭で使えるように調整するパワコン(パワーコンデショナー)です。

太陽光発電の発電量が急激に減るというのは、もしかしたらパワコンの故障が原因かもしれません。

この記事では、住宅用太陽光発電のパワコンの寿命や、故障した際の対処方法、お得に交換する方法などをご紹介します。

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パワコンの寿命はどのくらい?

パワコン

ソーラーパネルほど目立たないパワコン(パワーコンディショナー)という機器ですが、発電において重大な役割を持っています。

パワコンとは、太陽光パネルが作った電気を変換して、家電で使えるように整えるものです。パネルが完璧に発電していても、パワコンが故障していては家庭で使える電気はできません。

太陽光パネルとともに稼働し続けるうえに消耗パーツも多く、太陽光発電の設備でもっとも故障しやすいとされる機器なのです。

一般的な寿命は、10年です。これは太陽光パネルよりも早く、FIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了するころに寿命を迎えます。

パワコン故障の兆候は? 放置するとリスクも

パワコン故障

太陽光発電の重要な役割を担うパワコンですが、故障を放置することで、さまざまなリスクが起こり得ます。

パワコンの故障をそのまま放置していると、自宅で使ったり、売電できる電力が減っていきます。電気代の節約額や、売電収入が減っていくことになるでしょう。

さらに劣化が進むと、出力が落ちて停電することもあります。

パワコンは、劣化が徐々に進むというよりも、突然故障して使えなくなることも多いため、事前に察知しにくいのが難点です。

トラブルが起きたらまず販売店へ

パワコン販売店

太陽光発電に不調を感じたら、まずは販売店へ連絡します。故障箇所や原因によっては、メーカーの保証が使えるからです。

メーカー保証期間内であれば無償で交換することが可能です。なかには保証期間が1年間というメーカーもありますが、一般的には5〜10年の保証がついています。

https://www.tainavi.com/library/2640/

メーカー保証でパワコンを無償交換してもらうことができたとしても、故障によって減った売電収入までは補償されません。

素早い対応がとても重要になりますので、故障した場合の連絡先などは日頃から把握しておきましょう。

パワコンの買い替え費用

パワコンの買い替えにかかる費用は、パワコンの機種や容量、メーカーによって大きく異なります。

パワコン本体価格相場

メーカー容量本体価格
パナソニック5.5kW約17万6000円
田淵電機5.5kW約14万5000円
オムロン5.5kW約14万5000円
安川電機4.5kW約6万円

設置から10年近く経っていれば、当時よりもかなり安くなったと感じるでしょう。経産省は、工事費用を含めて1台あたり20万円程度を交換費用の目安としています。

パワコンは自分で交換できる?

パワコンは自分で交換できる?

パワコンの交換の費用には、本体価格だけでなく、交換のための工事費用が別途かかります。工事費用を節約するために、自分で交換しようと考える人もいるでしょう。

一般的な住宅用発電システムを含み、工事に資格が必要になります。50kW未満の太陽光発電は一般用電気工作物にあたるため、パワコンの交換には「第二種電気工事士」の資格が必要になります。

また、むやみに対処すると保証の条件から外れてしまうリスクもあります。

「施工のIDを持った担当者が施工すること」を保証条件にしているメーカーが多いため、自分で交換してしまうと保証がつかなくなってしまう可能性があります。

パワコンを自分で交換することは、工事費用を節約するより大きなデメリットがあるので、避けたほうが良いでしょう。

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パワコンの寿命と同じころ、売電前提の電気の使い方を見直すべき理由

住宅用太陽光発電

パワコンが寿命を迎えるのは、住宅用太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)の10年間が終わる頃と同時期です。パワコンの故障や買い替えが生じるのと同じ頃に、電気の使い方に大きな変化が訪れます。

FITが終了した太陽光発電は「卒FIT」と呼ばれ、今までの電力会社や新電力が買取サービスを展開しています。今までと同じく余剰売電で収入がはいりますが、売電価格が大幅に下がります。

FITで1kWhあたり40円前後だったのが、卒FITでは7円〜10円前後になりますので、売電収入は1/4程度になるでしょう。今までと同じように電気を売っていては、かなり損した感覚になってしまいます。

一方で、太陽光の電気は電力会社の電気よりも格段にお得です。電力会社の電気は1kWhあたり平均27円ほどですが、自家消費すれば0円なのですから。

つまり、FITの後は、発電した電気を自家消費したほうが、電気代は圧倒的に得になります。

自家消費のために蓄電池、パワコン選びも影響する

蓄電池、パワコン

卒FITを迎えた家庭が、発電した電気を自家消費する目的で蓄電池を設置しています。

蓄電池を導入すれば、昼間に使いあました電気をためておけます。夜でも太陽光発電の電気を使うことができ、売電よりも自家消費を優先できます。

そのうえ、自然災害などによる緊急時の停電の備えとしても役立つのです。

パワコンのなかには蓄電池と太陽光発電を組み合わせて使うのに最適な機種があります。設置からFIT終了の10年でパワコンが不調や故障した場合には、次に紹介する「ハイブリッド型パワコン」を検討してみるのがおすすめです。

蓄電池を導入するなら「ハイブリッド型」への買い替えが最適

太陽光発電に蓄電池を追加する場合には「ハイブリッド型」と呼ばれるパワコンが最適です。この項では、ハブリッドパワーコンディショナの詳細やメリットについて紹介します。

https://www.tainavi-battery.com/library/172/

ハイブリッドパワーコンディショナとは

ハイブリッド型蓄電池

従来は、太陽光発電と蓄電池にそれぞれパワコンが必要でした。それを1台にまとめたものがハイブリッドパワーコンディショナです。

太陽光と蓄電池でパワコンがわかれていることのデメリットは、3つあります。

  • 電気の変換が多く、ロスが多い
  • パワコンを2台設置するためにスペースが必要
  • それぞれに購入/設置費用がかかる

太陽光パネルで発電した電気は直流なので、パワコンによって交流に変換して家庭に送られます。この電気を蓄電池にためるには、交流に変換した電気を、ふたたび直流に変換して充電する必要があるのです。

電気を変換するたびに少しずつ減るので、2台のパワコンを使う方法ではロスが多い仕組みになっていました。

パワコンを2つ設置すればその分スペースも取りますし、それぞれに購入/設置費用がかかります。

ハイブリッドパワーコンディショナは、2台のパワコンを1台にまとめることで、これらのデメリットを解決するものです。

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ハイブリッドパワーコンディショナのメリット

ハイブリッドパワーコンディショナの仕組み

太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナを1台で兼用できる「ハイブリッドパワーコンディショナ」には、今までにない大きなメリットがあります。

まず、今までは太陽光・蓄電池それぞれに必要だったパワーコンディショナが1台になることで、費用的にもスペース的にもコンパクトにまとまります。また、電気を直流や交流に変換する際に生まれていた電力ロスを抑えて、発電した電気を効率的に有効活用することができます。

FIT終了後も、パワコンの買い替えと同時に蓄電池を導入し、ハイブリッドパワーコンディショナを選択することで、より効率的に自家消費することができるでしょう。

パワコンを買い替えるなら蓄電池の導入を検討してみよう

蓄電池の導入

パワコンの寿命は約10年といわれていて、経年劣化によって発電効率が落ちる場合があります。そして、パワコンの寿命は、FITが終了する時期でもあります。そのまま売電を続けるよりも、蓄電して自家消費する方向へシフトしたほうがお得になります。

パワコンを買い換えるなら、ハイブリッドパワーコンディショナという選択もおすすめです。ハイブリッド蓄電システムは、タイナビ蓄電池の複数業者の無料一括見積りを活用して、より安く、高品質なものを導入しましょう。