FIT期間が終了した後でも、「太陽光発電の余剰電力をできるだけお得な方法で活用したい」と思うのは当然ですよね。では、どの電力会社に売電すれば一番お得になるか、気になるのではないでしょうか。
太陽光発電システムを販売するLooopの卒FIT向けプランは、条件を満たすと買取価格が10年間保証されます。
この記事では、Looopの卒FIT買取プランの特徴や年間収支を見込める目安について解説します。さらに、太陽光の電力を自家消費したときの節約額と比較して、余剰電力の本当にお得な使い道を考えてみましょう。
Looopの卒FIT向けプランの概要をチェックしよう
【Looop FIT】
概要:太陽光発電の電力を買い取るサービスで、余剰売電も全量売電も可能
卒FIT買取価格 (北海道・東北・東京エリア) | 8.0円/kWh |
---|---|
卒FIT買取価格 (中部・北陸・関西・中国・四国・九州エリア) | 7.0円/kWh |
特徴:Looopと売電契約を結ぶだけという、シンプルなプラン。卒FITはもちろんFIT以外の太陽光発電も対象で、余剰売電/全量売電のどちらも契約可能です。法人の場合は、税込み買取価格から消費税相当額を引いた額での買取になります。
条件によっては買取価格が10年間保証されます。
「Looop FIT」とはどんなサービス?詳細や条件を紹介
「Looopでんき」は太陽光発電システムの販売や電力小売事業を行っている会社です。さらに、卒FITの太陽光発電設備を対象に、電力買取サービス「Looop FIT」も提供しています。「Looop FIT」では余剰電力の売電と全量売電が可能です。
さらに、2019年11月1日以前から「Looopでんき」と電気契約・売電契約を結んでいると買取価格が10年間保証されます。ほとんどの卒FITプランは買取価格を将来的に見直すとしていますが、契約当初の単価がいつまで維持されるかは明言しません。
「Looop FIT」を契約するための条件を確認しておきましょう。
- FIT期間が終了した太陽光発電の余剰売電、または全量売電
- 個人でも法人でも契約可能
もともとFITを利用していない太陽光発電や、ほかの再生可能エネルギー発電所でも利用可能です。他社に比べると条件が緩く、利用しやすいといえるでしょう。
「Looop FIT」で売電した場合の年間収支をエリア別に紹介
「Looop FIT」で売電した場合、年間収支はいくらくらいを見込めるのでしょうか。
この段落では各エリアの買取価格で計算してみた結果を紹介します。そのうえで、売電と自家消費ではどちらがお得になるのか、検討してみましょう。
北海道・東北・東京エリアでは年間いくらになる?
太陽光発電設備の発電量は、機器の状況や設置条件によって変わります。ここでは、次の条件と仮定して計算しました。
- 太陽光発電の容量4.5kW
- 余剰電力3150kWh/年
- 買取価格8.0円/kWh
この場合、年間収支は2万5200円位(1カ月で2100円位)となります。
それでは、同じ量の余剰電力を全部、自家消費したら、電気料金はいくらくらい節約できるのでしょうか。
東京電力の従量電灯Bを基準に計算すると、1年で約7万3908円(1カ月で約6159円)です。
売電した場合と自家消費した場合では、年間で4万8708円(月間で約4059円)もの差額が生まれます。売電するよりも自家消費したほうがかなりお得になることがわかりました。
中部・北陸・関西・中国・四国・九州エリアの収支は?
上と同じ条件に、エリアの買取価格である7.0円/kWhをあてはめて計算してみましょう。その結果、年間収支は約2万2050円(1カ月で約1838円)となります。
一方、余剰電力をすべて自家消費した場合、節約できる電気料金は、年間で約6万2074円(1カ月で約5173円)です(関西電力の従量電灯Bを基準に計算)。
売電した場合と自家消費した場合の差額は年間で約4万24円(1カ月で約3335円)になります。こちらも、自家消費したほうが年間で4万円以上も節約できるという結果になりました。
各エリアの収支を自家消費の節約額と比較しよう
上の計算結果を一覧表にまとめました。
年間売電収入 | 自家消費相当額 | 差額 | |
---|---|---|---|
北海道・東北・東京エリア | 2万5200円 | 7万3908円 ※東京電力の従量電灯Bを基準にした場合 | 4万8708円 |
中部・北陸・関西・中国・四国・九州エリア | 2万2050円 | 6万2074円 ※関西電力の従量電灯Bを基準にした場合 | 4万24円 |
このように、「Looop FIT」で余剰電力を売電した場合、年間で2万円以上の収入を得られます。
しかし、電気料金と比べると買取価格のほうが安いため、売電するよりも自家消費して電気料金を節約する金額のほうが年間で4万円以上も高くなります。家計のメリットを優先するなら、自家消費を増やす方法を検討するほうがよいでしょう。
「Looop FIT」への乗り換えは得?買取条件のポイントと注意点
Looop以外にも、さまざまな電力会社から卒FIT向けプランが発表されています。
買取条件は会社によって異なるため、買取条件のポイントや注意点を押さえたうえで選ぶことが大切です。
ここでは、「Looop FIT」の買取条件のポイントと注意点を紹介しますので、あなたにとって最適なプランなのか、検討してみましょう。
条件が合えば長期で売電できることがポイント
「Looop FIT」では条件を満たせば買取価格に長期保証がつき、最低でも10年間は固定価格で売電できます。その条件は、以下の通りです。
- 2019年11月1日以前にLooopでんき+に加入した
- あるいはLooopへ直接売電していて権利書を持っている
他社の卒FIT向けプランでは、年度ごとに買取価格を見直すとするケースが多いです。初年度の買取価格が高くても、次年度以降の買取価格がどうなるかはわかりません。
本当にベストなプランなのか検討しよう
売電価格の長期保証は「Looop FIT」の大きなメリットですが、すでにLooopへ売電していない方が今から条件をクリアすることはできません。
買取価格についても、他社と比較して特に高額というわけでもないのです。たとえば、東京電力の買取価格は8.5円/kWh、関西電力は8.0円/kWhと、「Looop FIT」よりも高額となっています。
ですから、売電価格が長期保証される条件を満たしていない場合、今から「Looop FIT」に契約しても、経済的なメリットは少ないと言えます。自宅の屋根で発電した電気が、クリーンな電気として
それに対して、自家消費による節約額は大きいです。電気料金は上昇傾向なので、今後もさらに節約額が増えていくとみられます。ちなみに、家庭向けの電気料金は2010年から2017年にかけて、約16%も上昇しました。
これからは自家消費することも視野に入れて、余剰電力の使い道を検討しましょう。
FIT期間終了後は自家消費がおすすめ
Looopでんきの卒FIT向けプランで年間収支を計算してみたところ、自家消費のほうが年間で4万円以上もお得であることがわかりました。しかし、発電した電力をすべて自家消費に回すためには、蓄電池の設置が必要となります。
蓄電池の購入を検討するなら、複数社の価格を比較できる「タイナビ蓄電池」の一括見積もりがおすすめです。初期費用をできるだけ抑えるためにも、ぜひ利用してみてください。
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