宮崎電力の卒FIT

太陽光発電で10年間のFIT期間が終わった後は「新しいプランで売電する」という選択肢があります。九州エリアなら、宮崎電力の卒FIT向けプランもチェックしてみましょう。九州電力よりも買取単価が高い点が宮崎電力の魅力です。

この記事では宮崎電力の卒FIT向けプランと年間収支のシミュレーション結果を紹介します。また、売電と自家消費した場合とではどちらがお得になるのかについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

単価や特徴は?宮崎電力の卒FITプラン

【買取のみプラン】

概要:10kW未満の太陽光発電の余剰電力を買い取るサービスで、九州エリアが対象となっている

卒FIT買取価格8.0円/kWh

特徴:買取のみのプランでも、九州電力の買取プランより高い

【電気契約セットプラン】

概要:宮崎電力と電気契約をした場合に適用となるセットプラン

卒FIT買取価格10.0円/kWh

特徴:買取のみのプランよりも高い単価で買い取ってもらえる

卒FIT蓄電池セットプラン

プラン概要:条件を満たすと、1kWhあたりの卒FIT買取単価が宮崎電力の最高額になります。

卒FIT買取価格22.5円/kWh

特徴:指定の蓄電池を宮崎電力から購入すること・電気契約を宮崎電力に乗り換えることが本プラン適用の条件です。プランを適用した単価は1年間維持されます。

乗り換えたほうがお得?宮崎電力の買取プランの詳細や買取条件

ここでは、宮崎電力が提供する買取プランの詳細や買取条件について、くわしく解説します。現在契約している電力会社のプランと比較してみましょう。

売電だけでもOK!卒FIT「買取のみプラン」

「買取のみプラン」では、宮崎電力と電気契約を結んでいなくても、太陽光発電設備で発電した余剰電力を買い取ってもらうことができます。

卒FIT買取価格を九州電力と宮崎電力で比べてみましょう。九州電力のプランでは買取単価は7.0円/kWhです。一方、宮崎電力の「買取のみプラン」では買取価格は8.0円/kWhとなっており、九州電力よりも1kWhあたり1円高くなっています。

そのため、現在、九州電力と売電契約を結んでいる人は、FIT終了を機に、売電契約を宮崎電力へ乗り換えることを検討する価値があるといえるでしょう。

「買い取りのみ」プランを契約するためには、以下の3つの条件を満たしていなければなりません。

  • 太陽光のFIT(固定価格買取制度)の適用を受けている個人、あるいは、法人であること
  • 出力10kW未満の太陽光発電設備で発電された余剰電力の売電
  • 2019年11月以降に固定価格買取制度の買取期間が終了すること

宮崎電力の「買取のみプラン」を契約した場合は、4月・8月・12月の年3回、買取料金が銀行口座に振り込まれます。

売電単価がもっとお得に!電気契約セットプラン

「電気契約セットプラン」は、宮崎電力で電気契約を結んでいる人を対象とするプランです。

「電気契約セットプラン」の初年度買取単価は「買取のみプラン」よりも1kWhあたり2円高く、10.0円/kWhとなっています。

初年度の期間は買取開始契約から2021年3月31日までです。毎月の電気料金から買取料金が差し引かれ、買取料金が電気料金を上回った場合は銀行口座に振り込まれます。

初年度が満了したあとは、解約手続きをしない限り1年ごとの自動更新となり、その都度、買取価格が変動します。

新しい買取価格は契約期間満了の2カ月前までに宮崎電力ホームページと書面で通知されることになっています。契約期間にかかわらず、契約や解約をする際に手数料がかかることはありません。

宮崎電力と契約できるのは1県だけ!

「電気契約セットプラン」は宮崎電力から電力供給を受けている人しか契約できないプランです。宮崎電力の供給エリアは宮崎県内のみとなっています(2019年12月現在)。

九州電力よりも宮崎電力のほうが基本料金と従量で課金される電気料金単価が安いため、毎月かかる電気代を安くできる可能性もあります。

宮崎県在住の人は、この機会に電力会社の切替を含めて売電先の検討をしてみるとよいでしょう。

年間でいくらお得になる?自家消費した場合とも比べてみよう

ここでは宮崎電力の「買取のみプラン」と「電気契約セットプラン」のそれぞれについて、年間でいくらくらいの収益を上げることができるのか、シミュレーションをします。

発電した電気を売電せずに自家消費した場合と比較し、売電と自家消費ではどちらのほうがお得になるかについても検証します。

「買取のみプラン」で年間収支をシミュレーション

太陽光発電設備の発電量は設置条件や状況によって変動します。

ここでは、以下の条件でシミュレーションを行いました。

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh/年
  • 買取価格8.0円/kWh

その結果、余剰電力を売電した場合に年間で得られる収支は約2万5200円(1カ月あたり2100円)です。

一方、余剰電力をすべて自家消費した場合は、九州電力の従量電灯Bを基準に計算すると、1年間で約6万4575円(1カ月あたり約5381円)の節約になります。

ちなみに、九州電力の従量電灯Bの料金は基本料金(30Aの場合)が891円、従量課金される分は最初の120kWhまでが17.46円/kWh、120kWhを超えてから300kWhまでが23.06円/kWh、300kWhを超えた分が26.06円/kWhです。

余剰電力を売電した場合の収益と自家消費した場合に節約できる金額を比較してみると、自家消費するほうが、かなりお得になることがわかりました。

差額は年間で約3万9375円(1カ月あたり約3281円)です。

「電気契約セットプラン」でも自家消費のほうがお得

次に、以下の条件で余剰電力を売電した場合の収益をシミュレーションしました。

  • 太陽光発電の容量4.5kW
  • 余剰電力3150kWh/年
  • 買取価格10.0円/kWh

この場合、年間収支は3万1500円(1カ月あたり2625円)です。

それに対し、余剰電力をすべて自家消費した場合、宮崎電力の「おうちプラン(従量電灯B相当)」を基準にすると、年間で約6万3654円(1カ月あたり約5305円)の節約になります。

ちなみに、宮崎電力の「おうちプラン」は基本料金(30Aの場合)が886.55円、従量課金される分は最初の120kWhまでが17.45円/kWh、120kWhを超えてから300kWhまでが22.53円/kWh、300kWhを超えた分が23.63円/kWhです。

「電気契約セットプラン」でも、余剰電力はすべて自家消費するほうがずっとお得になります。差額は年間で約3万2154円(1カ月あたり約2680円)です。

年間の差額に着目!自家消費した場合と比べた場合

上で紹介した宮崎電力2プランのシミュレーション結果を一覧表にまとめたものがこちらです。

年間売電収入自家消費相当額差額
買取のみプラン2万5200円6万4575円3万9375円
(※九州電力の従量電灯Bを基準にした場合)
電気契約セットプラン3万1500円6万3654円3万2154円
(※九州電力の従量電灯Bを基準にした場合)

このように、「買取のみプラン」についても「電気契約セットプラン」についても、自家消費するほうが年間で約3万円お得になります。

九州電力やほかの電力会社と比較した場合でもお得?

宮崎電力の買取プランは、ほかの電力会社よりも買取価格が高いのでしょうか。
ここでは、九州エリアで余剰電力の買取サービスを行っている主な電力会社を4社紹介し、宮崎電力の買取価格と比較してみます。

九州電力の卒FIT買取価格7.0円/kWh-
出光昭和シェルの卒FIT買取価格7.5円/kWh
(卒FIT買取のみ)
9.5円/kWh
eco電力の卒FIT買取価格8.0円/kWh
(卒FIT買取のみ)
9.0円/kWh
(電気契約とセット)
NTTスマイルエナジーの卒FIT買取価格7.2円/kWh-

このように、「買取プラン」の買取価格が8.0円/kWh、「電気契約セットプラン」の買取価格が10.0円/kWhの宮崎電力は、他社と比較しても高額の設定となっています。

くわえて、「電気契約セットプラン」の場合、電気料金がどのくらい安くなるのかによっても節約できる金額が変動するため、買取価格だけでなく電気の料金プランも検討することが大切です。

また、「買取のみプラン」でも「電気契約セットプラン」でも、余剰電力は自家消費するほうが節約できる金額が大きくなります。余剰電力をためておくために、蓄電池の購入も検討しましょう。

宮崎電力の卒FIT向けプランより自家消費がおすすめ

宮崎電力の卒FIT向けプランは九州エリアでも高めの買取価格となっています。電気契約もする場合は、電気料金も比較してから決めましょう。

買取価格が高いとはいっても、売電するより自家消費したほうがお得であることはシミュレーション結果からも分かりました。そこで、蓄電池を設置して余剰電力を自家消費するのがおすすめです。タイナビ蓄電池の一括見積りを利用して、蓄電池の購入費がいくらくらいなのか調べてみてください。