NTTスマイルエナジーの卒FIT

FIT期間が終了した後に余剰電力をどう活用するのが最もお得になるか、まだ判断がつかないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、NTTスマイルエナジーによる卒FIT買取プランを解説していきます。

重要:「エコめがね卒FIT Plus」はサービスを終了しました。
ほかの卒FIT買取プラン解説記事はこちらにまとめています。

卒FIT買取プラン解説記事まとめ

NTTスマイルエナジーの「エコめがね卒FIT Plus」(サービス終了)

重要:「エコめがね卒FIT Plus」はサービスを終了しました。
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卒FIT買取プラン解説記事まとめ

「エコめがね卒FIT Plus」とは、NTTスマイルエネジーが太陽光発電による余剰電力売電をエネット(NTTグループの電気事業者)へ取り次ぐサービスです。

「エコめがね卒FIT Plus」を利用するためには、FIT期間が終了した太陽光発電設備による余剰電力であることが条件です。沖縄県や離島を除く全国のエリアが対象となります。電力の買取価格は全国の各エリア別にそれぞれ設定されています。

卒FIT買取価格
(東日本エリア)
9.3円/kWh
卒FIT買取価格
(西日本エリア)
8.4円/kWh
卒FIT買取価格
(九州エリア)
7.2円/kWh

特徴:売電収入は6月・9月・12月・3月に指定の口座に振り込まれます。買取料金が5000円未満の場合、次の振り込み月に繰り越されます。

また、「エコめがね卒FIT Plus」には以下に述べる2つのオプションプランがあります。

さらに加入条件をつけて卒FIT買取価格を上げる、2つのプランが選択できます。

エネPlusプラン:パナソニック製蓄電池、エコキュートなどを購入する
ユアプレミアム:蓄電池+ちくでんエコめがねを購入する

どちらのプランも、卒FITを機に蓄電池を併設する方にうってつけだと言えます。ただし、メーカーや機種に指定があること、高額な卒FIT単価は適用期間が非常に限られていることに注意がいるでしょう。

ユアプレミアムの指定メーカーはオムロンで、今後も追加する可能性がありそうです。一方のエネPlusプランは、パナソニック一択です。

もっと様々な蓄電池メーカーを比較して、価格と機能を吟味するなら、一括見積りをお試しください。

NTTスマイルエナジーは、NTT西日本とオムロンの合弁会社として設立された企業です。太陽光発電の遠隔監視システム「エコめがね」で知られており、再生可能エネルギー発電事業なども行っている企業です。

余剰電力を売電するか自家消費するか、検討していきましょう。

【ユアプレミアム】

概要:対象の蓄電池+ちくでんエコめがねを購入したひとを対象とするプランです。

卒FIT買取価格
(全国一律 ※沖縄県を除く)
20円/kWh

特徴:売電単価はトップクラス。2021年1月31日までに卒FITを迎える方(FIT期間を満了する)限定。2019年11月に募集を開始しており、先着500名限定です。

なお、20円/kWhのプレミアム単価で買い取ってもらえるのは12カ月間限定です。利用は慎重に検討するべきでしょう。

指定の蓄電池と「ちくでんエコめがね」の購入が加入条件にあることから、初期費用に注意が必要です。

蓄電池にはさまざまなメーカーや機種があります。一括見積もりをすれば、よりリーズナブルに設置できる可能性もあります。

【エネplus】

指定の蓄電池など対象機器の購入を条件に、「エコめがね卒FIT Plus」の買取価格がアップするプランです。卒FIT買取単価は、契約エリアと購入する機器の組み合わせによって8.5円/kWh〜16円/kWhで異なります。最大で約7円増額されます。

ただし、プレミアム単価が適用されるのは12カ月限定です。

蓄電池は一括見積もりによって、もっと安く設置できる可能性もあるため、他のメーカーや機種と比較して検討するほうがよいでしょう。

「エコめがね卒FIT Plus」の年間収支をエリア別に紹介

「エコめがね卒FIT Plus」ではエリアによって買取価格が異なります。

ここでは、エリア別の年間収支をシミュレーションします。また、余剰電力を自家消費した場合に電気代がいくらくらい節約できるかも計算するので、どちらが得かを比較してみましょう。

発電量は太陽光発電設備の状況や設置条件によって変わりますが、ここでは「太陽光発電の容量4.5kW」「余剰電力3150kWh/年」と想定し、エリア別の買取価格で試算します。

東日本エリアの年間収支

東日本エリアには北海道電力・東北電力・東京電力の管内が該当します。買取価格は9.3円/kWhで、年間収支は2万9295円、月間収支は2441円になります。

では、「余剰電力3150kWh/年」を売電する代わりにすべて自家消費した場合、電気料金はいくらくらい節約できるでしょうか。

東京電力の従量電灯Bを基準に試算すると、節約額は年間で約7万3908円、月間で約6159円となります。

「エコめがね卒FIT Plus」で売電した場合の収益と、自家消費した場合の節約額では、自家消費のほうが年間で約4万4613円(月間3718円)お得という結果が出ました。

西日本エリアの年間収支

西日本エリアには中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力の管内が該当します。

西日本エリアの買取価格は8.4円/kWhです。収益を試算した結果は年間で2万6460円、1カ月で約2205円となります。

余剰電力をすべて自家消費する場合は、関西電力の従量電灯Bを基準に計算すると、年間で約6万2074円、月間で約5173円の電気代が節約可能です。

「エコめがね卒FIT Plus」で売電した場合の収益と、すべての余剰電力を自家消費した場合の節約額を比較してみましょう。年間で約3万5614円(月間で約2968円)、自家消費するほうがお得になります。

九州エリアの年間収支

九州エリアは九州電力の管内が該当します。このエリアの買取価格は7.2円/kWhです。収支の試算結果は年間で2万2680円、月間で1890円となりました。

一方、余剰電力をすべて自家消費した場合、電気代はどのくらい節約になるのでしょうか。

九州電力の従量電灯Bを基準として試算すると、年間で約6万4575円(月間で約5381円)が節約できることになります。

「エコめがね卒FIT Plus」で売電するよりも、余剰電力をすべて自家消費するほうが、年間で約4万1895円・月間で約3491円のお得になります。

売電よりも自家発電の節約額のほうが大きい

上記の試算結果を一覧表にまとめました。

年間売電収入自家消費相当額差額
東日本エリア2万9295円7万3908円
※東京電力の従量電灯Bを基準にした場合
4万4613円
西日本エリア2万6460円6万2074円
※関西電力の従量電灯Bを基準にした場合
3万5614円
九州エリア2万2680円6万4575円
※九州電力の従量電灯Bを基準にした場合
4万1895円

このように、全国のどのエリアにおいても、余剰電力をすべて自家消費した場合に節約できる電気料金は年間で6~7万円台になります。

それに対し、「エコめがね卒FIT Plus」で余剰電力を売却すると、結果的に自家消費した場合と比べれば年間で3万5000円以上も収益が少なくなってしまうのです。ですから、余剰電力の活用法としては売電ばかりでなく、自家消費することも検討しましょう。

対象機器の購入で買取価格がアップするプランは初期費用をチェック

さきほども少し触れましたが、NTTスマイルエナジーは対象機器の購入を条件として買取価格が上乗せされる「エネPlusプラン」も提供しています。ここでは、その内容について、くわしく紹介します。

「エネPlusプラン」はNTTスマイルエナジーの「ちくでんエコめがね」やパナソニック製の蓄電池、エコキュート、AiSEG2といった指定の製品を組み合わせて購入することによって、買取価格が高くなるプランです。また、買取価格は購入する製品の組み合わせによって変わります。

例として、「ちくでんエコめがね」「蓄電池」「エコキュート」を3つとも購入した場合の買取価格をみてみましょう。

  • 東日本エリア 16円/kWh
  • 西日本エリア 15円/kWh
  • 九州エリア  14円/kWh

ただし、指定された機器を購入する場合の初期費用がいくらかかるのか、元を取るためにどのくらいの期間を要するかなどを調べた上で検討する必要があるでしょう。

自家消費を選ぶなら蓄電池の相場を調べよう

NTTスマイルエナジーの卒FIT向けプランで売電した収益よりも、余剰電力を自家消費して得られる節約額のほうが高くなります。そのため、売電よりも自家消費を検討してみましょう。

蓄電池を購入するなら、まずは相場を調べて、できるだけお得に購入するべきです。タイナビ蓄電池では最大5社まで一括見積りができますから、蓄電池の価格を比較する際にぜひ利用してください。