系統用蓄電池の仕組みやビジネスモデル

再生可能エネルギー関連の投資では、これまでFIT・NONFITの太陽光発電所が主流でしたが、2024年中頃より、大口投資家の間で系統用蓄電池が急速に注目を集めています。

これに伴い、これまでNONFIT用地(非FIT発電所)の確保に注力していた全国の太陽光関連EPC企業も、系統用蓄電池の用地確保へと次々にシフトし始めています。理由は今、系統用蓄電所の買手が急増しており、供給より需要が多すぎる状況です。

タイナビ発電所を運営するグッドフェローズでは、用地を確保しているEPC企業向けに系統用蓄電池案件の大口買手を紹介するほか、買手には連携が近い案件を非公開で提供しています。連係が近い案件ほど取り合いになっており、サイトに公開ができない状況です。

ただし、市場に出回る系統用蓄電池案件は依然として限られており、実案件だけでなく、権利獲得の競争が激化しています。これは、実際に電力会社側の連携までの期間が長い為に、権利だけでも売りたいというEPCが増えているからです。

系統用蓄電池はFIT太陽光のような単なる売電収益だけでなく、多面的な収益モデルから成り立ってできるため、その仕組みを理解することが重要です。

本記事では、業界経験豊富な専門家が最新の系統用蓄電池市場について解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

系統用蓄電池の購入を検討中の方、または販売を予定している方は必見です!2025年~2026年に連携可能な蓄電池案件もあり、大口買手の紹介も可能です!

系統用蓄電池とは?

系統用蓄電池とは、電力系統に直接接続される大規模な蓄電システムのことで、電力の供給と需要のバランスを調整し、系統の安定性を保つ役割を果たします。

特に再生可能エネルギーの普及が進む中で、その重要性はますます高まっています。
需給調整や電力品質の安定化、非常時のバックアップなど、多様な機能を備えているのが特徴です。

系統用蓄電池が注目される理由

再生可能エネルギーの導入拡大や電力需給の変動・出力制御が増す中で、系統用蓄電池の役割はより重要になっています。

また、電力自由化の進展に伴い、電力市場における取引機会が増え、蓄電池技術の進化によるコスト低減も注目されています。

日本政府は2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、再エネ比率の向上を推進しており、これが市場の拡大を後押ししています。

系統用蓄電池の仕組みとビジネスモデル

系統用蓄電池は、電力需要が少ない時間帯に充電し、需要が多い時間帯に放電することで収益を生み出します。

また、周波数調整機能を持ち、電力系統の安定化にも寄与します。これにより、再生可能エネルギーの変動にも柔軟に対応可能です。

主流の蓄電所の規模は定格出力2メガ未満・電池容量8メガの蓄電池で、1000㎡程度の土地に500㎡規模の蓄電所を設置するケースが多いです。

系統用蓄電池の3つの収益モデル

系統用蓄電池の投資シミュレーションには必ず、3つの収益モデルが合算で記載されております。

FIT太陽光のように、発電したものを売電する収益モデルではありません。

電力卸売市場:価格変動を活用した収益モデル

電力卸売市場(JEPX)は、発電事業者と小売電気事業者が電力を取引する市場です。

電力価格は需給バランスにより変動し、夜間の低価格時に充電し、昼間の高価格時に放電することで利益を生み出せます。例えば、夜間に1kWhあたり10円で充電し、昼間に20円で売電すれば、1kWhあたり10円の利益が発生します。

この価格変動を利用することで、系統用蓄電池は安定的な収益を確保できます。

容量市場:供給能力の確保による安定収益

容量市場は、電力供給の安定性を確保するために設立され、供給力の確保に対して報酬が支払われる市場です。

実際に放電を行わなくても、供給力を維持することで収益を得られる点が特徴で、特にピーク需要に備える役割が期待されています。

2024年より本格的に運用が始まり、系統用蓄電池の事業者に新たな安定収益の機会を提供します。

需給調整市場:電力バランスの最適化による収益

需給調整市場は、電力の需要と供給をリアルタイムで調整し、系統の安定性を確保する市場です。

再生可能エネルギーの発電変動を吸収し、電力の供給不足や余剰電力を調整することで、市場から報酬を得ることができます。特に、素早い応答が求められるため、系統用蓄電池の活用が有利です。

再エネ導入が進むほど需給調整市場の役割は拡大し、蓄電池の収益機会も増加します。

系統用蓄電池の最新技術と市場動向

蓄電池技術の進化と市場の成長が、系統用蓄電池の普及を加速させています。

リチウムイオン電池や全固体電池、フロー電池などの技術革新により、導入コストの削減と性能向上が実現しています。

特に全固体電池は、安全性や寿命の長さが期待される次世代技術として注目されています。

系統用蓄電池の補助金制度と支援策

日本政府は、系統用蓄電池の導入を促進するために補助金制度を導入しています。

例えば、経済産業省の「再生可能エネルギー普及支援補助金」では、蓄電池の導入費用の最大50%が補助されます。

さらに、自治体ごとの支援制度もあり、特定の条件を満たせば、1施設あたり数百万円の補助を受けることが可能です。

補助金を活用するには、事前審査や必要書類の準備が求められるため、専門家のサポートを受けることを推奨します。

系統用蓄電池への投資戦略

系統用蓄電池への投資では、適切な物件の選定や市場の動向を見極めることが重要です。

特に、同じ蓄電所でもアグリゲーターによって収益が大きく異なるため、最適なパートナー選びが鍵となります。現在、一部の企業では収益性の高いアグリゲーターを自社で検証する動きも見られます。

タイナビ発電所では、投資家向けに系統用蓄電池の投資物件情報の提供を計画しており、初心者でも安心して投資できるサポートを提供予定です。また、直近では、蓄電所用地を確保しているEPC向けに大口買手を紹介し、買手にはEPC企業を紹介するサービスを実施しています。

今後、案件の増加とともに、具体的な収益モデルのシミュレーションや最適な蓄電池システムの確立が進んでいくでしょう。

系統用蓄電池市場の主要メーカー

系統用蓄電池市場には、国内外のさまざまなメーカーが参入しています。

特に中国メーカーがコスト面で優位性を持ち、日本市場でも注目を集めています。

注目系統用蓄電池メーカー①正泰電源(Chint Power Systems)

1984年に設立されたCHINTグループの一員で、世界23カ国以上に20GWの納入実績を誇ります。

同社の「CPS ES-2400kW/5015kWh」は、中大規模施設向けの蓄電システムで、ピークシフトやVPPなど多様な用途に対応可能です。

注目系統用蓄電池メーカー②ファーウェイ(HUAWEI)

再エネ業界で高い知名度を誇り、住宅用から産業用まで幅広い蓄電池・パワコンを展開しています。

2024年には東急建設の相模原蓄電所に採用されるなど、蓄電池市場でも存在感を高めています。

代表的な製品「A2000-2.0MWH-1H1/2H1」は、系統用蓄電所向けに採用されています。

系統用蓄電池の購入・販売をご検討の方へ

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グッドフェローズは、10年以上にわたり太陽光関連メディア「タイナビシリーズ」を運営し、全国のEPC企業と連携しています。

全国1000社以上のEPCネットワークを活用し、希望のエリア・予算・金額に合った蓄電所案件を発掘します。ぜひご相談ください。

弊社は全国のEPCネットワークを通じて、現在仕込み中の蓄電所案件を多数把握しておりますので、蓄電所の購入を検討されている企業様の要望に合った案件をご紹介することが可能です。

EPC各社が蓄電所案件を取り扱っていますが、企業により契約内容・支払いサイトが大きく異なります。
EPCの中には、土地の権利売りなどにも対応しております。

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