ポータブル蓄電池

屋外で電源が必要な状況で使いたい機器といえば、コンパクトな蓄電池です。中でもメジャーなのはモバイルバッテリーでしょう。しかし、モバイルバッテリーは容量が小さく、使用用途がスマホの充電などに限られます。

そこで、チェックしておくべきはコンセント付きのポータブル蓄電池/ポータブル電源です。携帯に便利なポータブル蓄電池があれば、時と場所を問わず様々な電化製品が使えるようになります。

本記事では、ポータブル蓄電池があると便利なシチュエーションを4つ紹介します。

コンセントで電気が使えるポータブル蓄電池のメリット

持っていけばどこでも電気が使えるポータブル蓄電池。一台あれば、さまざまな時・場所で活躍してくれます。コンセント付きのポータブル蓄電池が活躍する「キャンプ」「車中泊」「停電(災害)」「屋外DIY」の4つのシチュエーションについて、それぞれ具体的な活用法などを紹介します。

シチュエーション1 キャンプ

キャンプ用ポータブル蓄電池

キャンプが好きな人の中には、「自然の中で過ごすのだから、電源がないのは当たり前」と考えている人もいるでしょう。しかし、ポータブル蓄電池があればもっと便利に、より快適なキャンプ生活を楽しめます。

・情報収集ができる

キャンプ地は天気が変わりやすい場所も多く、情報収集は欠かせません。ポータブル蓄電池があれば、小型のテレビやラジオを使ってリアルタイムで天候を確認できます。さらに、連絡手段や情報収集ツールとして欠かせないスマホの充電も可能です。

・お湯をすぐに沸かせる

お湯を沸かすのに火をおこすのは大変です。しかし、ポータブル蓄電池があれば、アウトドア用の電気ケトル(180W)を使ってお湯をすぐに沸かせます。到着直後にお茶やコーヒーをいれる、夜中おなかがすいた時にカップラーメンなどの非常食を食べることも手軽にできます。

・テント内で快適に過ごせる

気候が厳しい夏・冬のキャンプでは、「暑い」「寒い」といった気温の問題で夜よく眠れないという人もいるのではないでしょうか。ポータブル蓄電池があれば、夏もテント内で扇風機やサーキュレーターを使えるので快適です。また、冬キャンプでも、電気毛布(40W)を使って暖が取れます。

シチュエーション2 車中泊

旅行などで車中泊する時に、「シガーソケットから電気を取りたい」と思うこともあるのではないでしょうか。しかし、いくら電気を使いたいからといって、ずっとエンジンをかけておくわけにはいきません。

いつでも電気を使えるポータブル蓄電池があれば、こうした心配は不要です。

夜間に小型のライト(10W)を使うこともできますし、寒い時期には電気毛布(40W)を使えば寝ている時に風邪をひく心配もありません。

小型のポータブル冷蔵庫(30W)を持っていけば、ちょっとした冷蔵品も持ち運べますし、いつでも冷えた飲み物が飲めます。

車中泊はちょっとした電力があるかないかで快適さに大きな違いが出ます。車中泊をよくする人であれば、ポータブル蓄電池はおすすめです。

シチュエーション3 停電

停電

不便を強いられることが多い停電時でも、ポータブル蓄電池があれば生活するのに最低限のエネルギーを確保できます。

・災害時の情報収集に

地震や大雨など、自然災害による停電の場合はスマホやテレビから情報を得ることは必要不可欠です。
この時、ポータブル蓄電池があれば、スマホを充電したり、テレビを使ったりするのに必要な電力を確保できます。

・食料の保管もできる

冷蔵庫が使えるので、中に入った食料を無駄にすることなく確保しておけます。

・災害時でも明かりが使える

不安な気持ちになりがちな時こそ、夜に電気スタンドの明かりが使えるだけでも安心できるのではないでしょうか。

・避難所に持っていける

もし避難が必要になっても、ポータブル蓄電池であれば、そのまま避難所に持っていくことも可能です。

2kWhくらいのポータブル蓄電池があれば、冷蔵庫(50W)、携帯電話充電(10W)、電気スタンド(15W)、液晶テレビ(56W)が約15時間程度使えます。

シチュエーション4 屋外DIY

屋外DIYにもポータブル蓄電池が活躍してくれます。大きな木材・部材の切断作業や匂いの気になる塗装作業は屋外でやりたいもの。しかし、電動工具を使って作業する場合、「屋内で電動工具を使って、屋外で塗装する」といったように、作業内容によってどうしても屋内と屋外を行き来することになります。

これでは行き来に手間・時間が取られて不便ですし、作業効率も落ちてしまいます。だからといって、屋内から長い延長コードを引っ張ってきて、無理に屋外で作業をするのもわずらわしいものです。

ポータブル蓄電池があれば、駐車場で使う棚は駐車場で作る、庭に設置する木製フェンスは庭で作る、など電動工具を好きな場所で作業ができます。工程や作業内容に関係なく、最初からすべて屋外で作業できるので効率的です。

ただし、モーターを使う機材はそれなりに出力が大きい機種が求められるでしょう。

コンセント付きポータブル蓄電池でも使えない家電がある

ポータブル蓄電池は、コンセントにさすだけでどこでも好きな場所で家電が使える便利アイテムです。ただ、機種によっては使えない家電があったり、多くの機種で使えない家電があったりする点に注意しましょう。

この段落では、ポータブル蓄電池で使える家電・使えない家電について解説します。

使える家電

ほとんどのポータブル蓄電池の機種で使える主な家電としては、次のようなものがあります。

  • 電気スタンド
  • 電気毛布
  • 扇風機
  • カメラ、スマホの充電
  • 小型冷蔵庫
  • 液晶テレビ
  • ノートパソコン
  • 洗濯機

家庭で普段使っている、100Vの家電はほとんど使用可能です。アウトドアや趣味はもちろん、災害時でも便利に使える家電が含まれています。

使えない機種が多い家電

ハイパワー家電は、ポータブル蓄電池では使えないケースがほとんどです。ポータブル蓄電池で動かすのが難しい家電には、次のようなものがあります。

  • IHクッキングヒーター
  • 食器洗い乾燥機
  • エアコン
  • 洗濯乾燥機
  • 電子レンジ
  • 給湯器

ここに上げたような家電は、手で持ち運べるような小型のポータブル蓄電池では使用できません。200V仕様の蓄電システムが欲しいところですが、こういった蓄電池はオープン価格ではなく、販売会社や設置する家屋によって費用が異なります。

ここに上げたような家電は、手で持ち運べるような小型のポータブル蓄電池では使用できません。200V仕様の蓄電システムが欲しいところですが、こういった蓄電池はオープン価格ではなく、販売会社や設置する家屋によって費用が異なります。

重要な家電を動かす蓄電池を安く買うためには、一括見積りが必要です。

ポータブル電源のスペックの見方

ポータブル蓄電池の蓄電容量は「Wh」か「Ah」を見ることで確認できます。(定格)容量が100Whとの表記があれば、消費電力が100Wの家電を1時間使えるという意味です。(放電)容量が100000mAhとの表記があれば、使える電力量は370Whと計算できます。※電圧が3.7Vの場合

大容量タイプのポータブル蓄電池でも、20000mAh(740Wh)を超えてくるものは、ほとんどありません。

停電が長引くと、容量が小さいバッテリーでは途中で電気を使い果たしてしまうことも考えられます。北海道の地震では停電復旧までに48時間かかっており、2017年の台風では東京エリアでも10時間以上の停電が発生しています。

持ち歩いて携帯やスマホを充電するには小型のポータブル蓄電池で十分です。しかし、家で使う前提の蓄電池なら、もっと容量が多い蓄電池があると安心かもしれませんね。

家電の対応周波数によってはポータブル蓄電池が使えないケースも!

蓄電池を選ぶ時は、電源周波数にも気をつけましょう。電源周波数は地域によって違い、東日本では50ヘルツ、西日本は60ヘルツとなっています。

もし違う電源周波数の家電を無理に使ってしまうと、故障の原因になってしまいます。どちらかしか使えない家電がある場合は、ポータブル蓄電池の電源周波数もそれに合わせて選びましょう。

なお、50ヘルツ・60ヘルツ両方に対応したポータブル蓄電池もありますが、周波数を気にせず使いたい人は、最初からそちらを選ぶのも良いでしょう。

趣味と備えにポータブル蓄電池を検討しよう

ポータブル蓄電池が1台あれば、いつでもどこでも電気が使えるようになります。キャンプや車中泊、DIYといった趣味・レジャーを楽しむ時にも便利です。さらに、停電や災害など万が一の備えにもなるので、一石二鳥といえます。

「値段が気になる」という人もいるかもしれませんが、数ある販売業者を比較検討すれば安く購入することも可能です。お得な価格で購入したいなら、一度一括見積もりを利用して、大体の相場を調べてみてはいかがでしょうか。