オムロンは医療機器製造で培った技術を活かし、高性能の機器を開発しているメーカーです。環境に配慮した事業に意欲的で、太陽光発電と蓄電システムの連携で省エネを目指してきました。
オムロンの家庭用蓄電池の製造、販売でも注目されていますので、特徴やメリットなどを紹介していきます。シリーズごとの特徴や製品ごとのスペック、安く導入する方法も知っておきましょう。家庭用蓄電池を選ぶときに、ぜひ参考にしてください。
オムロンは意外と身近なメーカー
1933年に創業されたオムロンは、主に制御機器や電子部品を開発しているメーカーです。身近なところでは家庭用医療機器を扱っており、お手持ちの体温計がオムロンという方も多いのではないでしょうか。
経営を行うためのトータルサポートなどのも行ってきました。
環境関連事業でも活躍しており、太陽光発電用のパワーコンディショナでは定番とされるメーカーのひとつです。そして、電気を効果的に扱う蓄電システムの開発と販売も行っています。
オムロンの家庭用蓄電システムの特徴
オムロンの蓄電システムには大きく分けてハイブリッド蓄電システム「KP48S2シリーズ」と、フレキシブル蓄電システム「KPACシリーズ」の2種類があります。
ハイブリッド蓄電システムとフレキシブル蓄電システムの特徴や強みと、ニーズに合いそうな人をそれぞれ解説します。
ハイブリッド蓄電システムの特徴
ハイブリッド蓄電システムは、太陽光発電システムと蓄電システムで兼用するパワーコンディショナとコンバーター、蓄電池が太陽光発電と連携したものです。運転モードは売電優先の「経済モード」・自家消費優先の「グリーンモード」・停電に備える「安心モード」の3つを選択できます。
屋内に設置して特定負荷用分電盤に接続させれば、停電時にあらかじめ決めておいた家電製品に自動で電力を供給することができます。
電力モニタセット「エナジーインテリジェントゲートウェイ」と接続すれば、専用表示ユニットで発電・買電・消費・充放電の数値をかんたんに確認することができます。
売電・蓄電・自家消費に最適化「KP48S2シリーズ」
「KP48S2シリーズ」は太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムで、太陽光発電で得られた電力をライフスタイルに合わせて有効活用できるようなシステムです。たとえば、売電、蓄電、自家消費など、それぞれの使用目的に対応しています。
コンパクトで場所を取らないことや軽量なことも「KP48S2シリーズ」の特徴で、重量は約60kgです。さらに、後継のKP55Sシリーズの蓄電池はコンパクト化が進んでいます。
コンパクトで大容量「KP55Sシリーズ」
「KP55Sシリーズ」は、太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムで、太陽光発電システムと蓄電システムのパワーコンディショナが一体になったタイプです。太陽光発電で得られた大容量の電力を無駄なく活用できる容量へとパワーアップしました。
また、大容量にもかかわらずコンパクトな設計でスペースを取らないところも、家庭用蓄電池としておすすめできる点です。KP48S2シリーズの蓄電池と比較して、奥行きを30%薄型化しました。全体的な大きさの目安として、KP48S2シリーズの蓄電池から体積が20%ダウンしています。
「ハイブリッド蓄電システム」はどんな人におすすめ?
ハイブリッド蓄電システムは、太陽光発電をこれから新しく設置したい人におすすめです。または、既存の太陽光発電が古くなったために新しいパワーコンディショナへの付け替えを検討している、同じタイミングで蓄電池も一緒に導入したいと思っている人も、ハイブリッド蓄電システムを検討するとよいでしょう。
フレキシブル蓄電システムの特徴
フレキシブル蓄電システムの構成は、蓄電システム用パワーコンディショナと蓄電池が主となっています。
通常、太陽光発電に蓄電池を後付けする場合は、パワーコンディショナをハイブリッドタイプにするという選択肢もあります。しかし、パワーコンディショナの交換はせずに蓄電池だけを設置したい場合は、フレキシブル蓄電システムがよいでしょう。すでに設置されている太陽光発電システムに対しても後から連携が可能です。
フレキシブル蓄電システムには、次に紹介するKPAC-Bシリーズなど、遠隔モニタリングサービスを利用できる機種もあります。遠隔モニタリングサービスを利用すれば、蓄電池の動作状態をスマートフォンやパソコンから24時間見守ったり、設定したりすることが可能です。
省スペースで太陽光に追加OK「KPACシリーズ」
KPACシリーズにはKPAC-AシリーズとKPAC-Bシリーズの2つがあります。
【KPAC-Bシリーズ】
充放電サイクルが無制限であることが特徴です。4.2kWhというと容量が小さくみえますが、1日に2サイクル利用すれば実質的に8.4kWh相当の蓄電性能を発揮します。保証期間は15年でコストパフォーマンスが良く、効率的に利用可能です。
【KPAC-Aシリーズ】
6.5kWh/9.8kWhと大容量でありながら、どちらも世界最小・最軽量のコンパクト設計のため、設置場所を選びません。空気清浄機ほどの大きさなので、室内にも設置しやすいでしょう(※)。急速充放電ができることも特徴です。(※室内設置は6.5kWh)
「フレキシブル蓄電システム」はどんな人におすすめ?
太陽光発電をすでに設置済みで、蓄電池だけを後付けしたい人にはフレキシブル蓄電システムがおすすめです。または、太陽光発電を設置する予定はなく、蓄電池だけの購入を検討しているなら、ハイブリッドよりフレキシブル蓄電システムが適しています。
電気を効果的に使える4つの運転モード
ライフスタイルや蓄電システムを利用する目的に合わせて、運転モードを切り替えて利用することができます。ここでは、蓄電システムで利用できる4つの運転モードについて解説します。
グリーンモード
余剰電力を蓄電池に充電して、できるだけ自家消費を優先する運転モードです。電気代が高い昼間に自家消費し、充電しきれない余剰電力分は売電することもできます。さらに、電気代が比較的安い夜間の電気を買電して蓄電池に充電する設定も可能です。これは電気料金の節約に適した活用法です。
グリーンモードは、今後も予想される電気料金の値上がりや、FITから10年後に売電価格が安くなる状況に適したモードといえます。
経済モード
経済モードは売電を優先する運転モードです。昼間は余剰電力を売電して売電収入を確保します。夜間は電気代が比較的安いため、電力会社から買電をして蓄電池に充電し、朝夕に蓄電池から放電して必要な電気をまかなうというものです。
経済モードでは、売電と電気料金が安い夜間の蓄電を賢く併用して節約することにより、家計への経済的メリットを見込めます。
安心モード
万が一の停電に備え、蓄電残量の維持を優先するモードです。昼間の余剰電力は売電し、電気料金が比較的安い夜間に100%になるまで充電を行います。朝夕は、設定した残量を維持しながら電気製品に放電して家庭の電気をまかなうことが可能です。
安心モードは、台風や大雨などの予報が出ており停電が懸念されるタイミングに活用できるモードといえるでしょう。いざというときに使える電気を貯めておく用途に適しています。
停電時モード(自動モード)
停電が発生すると自動で停電時モードに切り替わります。昼間であれば、太陽光発電で電気を供給し、余剰電力があれば充電も可能です。夜間に停電した場合は、蓄電池から電気を供給します。
停電時モードでは、あらかじめ決めておいた停電時に使用したい家電(冷蔵庫や照明など)へ自動で給電されるので安心です。電気の復旧後は、自動で通常時の運転モードに切り替わります。
停電時に運転モードの切り替え操作が必要な機種が多いので、いざというときに電気を使いやすくすることを重視する方に向いています。
オムロンの家庭用蓄電池の価格とスペック
オムロンの家庭用蓄電池を、製品ごとの価格とスペックで表にまとめてみました。それぞれの容量を比較して、ニーズに合わせて選択しましょう。
製品 | 価格 | 蓄電容量 | 保証期間 |
---|---|---|---|
KP-BU65-A | オープン価格 | 6.5kWh(実効容量:5.9kWh) | 10年 |
KP-S-B64 | オープン価格 | 6.4kWh(実効容量:5.8kWh) | 10年 |
KP-BU98-B | オープン価格 | 9.8kWh(実効容量:8.8kWh) | 10年 |
3機種ともに後付けができる太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムで、KP-BU98-Bは塩害にも対応しています。ただし、海から500メートル以内の重塩害地域が対象で、海水が直接かかるような場所には設置できません。
いずれの機種も短時間充電や急速放電が可能なタイプで、9.8kWhタイプは高圧電力を契約している施設にも使用できます。
オムロンの蓄電池を選ぶメリットとデメリット
独自の技術で開発されたオムロンの蓄電池は、高性能で定評があります。コンパクトで、スタンドと壁掛けのどちらの方法でも設置できるので、家庭用として導入しやすいことがメリットです。一方で、価格相場がわからないというデメリットもあります。
メリットは省スペース・大容量で高い性能をもつこと
オムロンの蓄電池は奥行き、体積ともに世界最小クラス。サイズによる設置場所の制限が比較的少ないのが特徴です。電池の使用時間も長く、6.5kWhの蓄電池ユニットで約19時間、9.8kWhで約29時間(※)と、停電が長びいても安心の容量をもちます。
※ 冷蔵庫や照明など合計300Wをフル充電で使った場合。実際の使用時間は各家電の消費電力量で異なります。
落下試験・耐水試験・耐火試験・衝撃試験などのテストにパスしていることも、安全上の大きなメリットと言えるでしょう。重塩害に対応した製品も開発されているので、海の近くにも設置できるメリットもあります。
太陽光発電システムとの連携もできるので、蓄電池の後付けもスムーズです。
デメリットは設置価格
多くのメリットがあるオムロンの家庭用蓄電池ですが、デメリットといえばオープン価格で販売されているため相場がわからないことが挙げられます。
蓄電池の設置費用とは、本体価格に工事費用が加わります。蓄電池は業者によって、本体費用と設置工事の費用に差が出ることを知っておかなければなりません。
つまり、蓄電池を設置するときには、工事費込みの見積もりをいくつか集めて、適正価格のものを選び出す必要があるのです。
オムロン製の蓄電池を安く設置する方法
オムロンは、コンパクトで設置しやすく高性能・高機能というメリットの多い蓄電ユニットを製造し販売していることがわかりました。安全に配慮した設計や、10年という長い保証期間があることからも、安心して家庭に蓄電池を導入できるのではないでしょうか。
オムロンの蓄電池を適正価格で設置するためには、一括見積りサイトを利用しましょう。複数の業者からの見積りを比べるのがポイントです。
蓄電池をリーズナブルに設置する、あるいは太陽光発電と蓄電池を同時に購入するための一括見積りは、こちらをご利用ください。どちらも見積りは無料で、5社まで一度に依頼できます。
よく読まれている記事
【3分でわかる】2024年度 蓄電池の補助金はいくら?国と自治体の最新情報を解説!
【人気ランキング】2024年最新版!おすすめ蓄電池メーカー10選
蓄電池のリース・レンタルと購入はどっちがお得?メリットデメリットを比べて解説
東京電力の卒FITプランはお得なの?プランの概要や加入条件・年間収支を徹底解説!
エコウィルから買い替えるならこの4製品!価格や使い勝手を比較
蓄電池はやめたほうがいい8つの理由|後悔しないための完全ガイド